メディア戦略

北米市場に挑戦、「アディダス」の戦略とは?

世界のスポーツ市場の半分を占める北米で、高いシェアを持っているブランドといえば「ナイキ」。そのお陰でナイキは、スポーツブランドで世界一の売上を保っています。そこに勝負を挑み、猛追を仕掛けているのが2位の「アディダス」。有名選手をスポンサードすることで、ブランドを浸透させていくというのが主なマーケティング戦略なのですが、その一方で実にユニークな戦術もとっているのです。

クールさをアップするために

音楽とファッション、両方の世界で大きな影響力を持つ人物といえばカニエ・ウエスト。彼が身につけたブランドは即大ブレイクするという、歩くトレンドのような人物です。そんなカニエ・ウエストは自身がデザインしたスニーカー「Yeezy」のコラボ先をナイキからアディダスへと変更。このことで、彼が手にした契約金は10億円ともいわれています。またアディダスは先日、ミュージシャン・ビヨンセと共同でブランド「Ivy Park」をスタートさせました。

Yeezyのスニーカーは発表されると常に完売、過去のモデルにはプレミアが付くという熱狂を生み出しています。しかしその売上だけでは、到底契約金をペイできるとは考えられません。彼らが巨額な費用を支払ってまで手に入れたかったものは「アディダス=クール」というイメージ。現在のところ、その狙いは成功しているといえるでしょう。

カンバンを個人へのメッセージに使う

また昨年の6月にアディダスがおこなったインフルエンサーマーケティングは、一風変わったものでした。使用したメディアはニューヨークとロサンゼルスの街中のカンバン、そこで特定のインフルエンサーに「ショップまで新作のスニーカーをチェックするように」とか「プレゼントを用意しているからショップまで出向くように」と呼びかけたのです。もちろん彼らは自身のSNSにカンバンと自身の写真をアップ、単に特定の商品を使用している様子をアップさせるよりもインパクトがあるマーケティング効果を生み出しました。

米4大スポーツの選手をスポンサードする、ミュージシャンとコラボする。こんな大金を掛けたマーケティングをおこなう一方で、アディタスがおこなっているのは奇策とも思えるインフルエンサーマーケティング。これらの試みのお陰でアディダスの売上も好調、ナイキを抜く日も遠くはないのかも知れません。

まとめ

2018年のナイキの売上は日本円で4兆円弱、同じくアディダスは3兆円弱、その差は約1兆円となっています。その差を埋めるべく指揮を取っているのが北米担当役員マーク・キング、スポンサードする対象は高校生や大学生にも及び、時には贈収賄容疑にも問われたりするほどです。そんなアディダスはスキャンダルを引き起こす一方で、大きな成果も上げているもの、キングの豪腕は知れわたるばかりなのです。

執筆者 gisinosuke

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