マーケティング全般

「ルイ・ロデレール」が取った、売らないというマーケティング

多額の開発費をつぎ込んだり、マーケティング手法を駆使したり。世の中の企業の多くは、ヒット商品を生み出すべく四苦八苦しています。しかし、これが全ての企業に当てはまるか?というと必ずしもそうではありません。中には、あえてヒットさせないことを選ぶケースもあります。例えば、シャンパンの名門「ルイ・ロデレール」。彼らはなぜ、あえて売らないという方法をとったのでしょうか。

昔ながらのメーカー、ルイ・ロデレール

ルイ・ロデレールは1776年創業の老舗シャンパンメーカー。小売価格で1本3万円以上する「クリスタル」を最高峰として、数々のプレミアムな銘柄を手がけています。ルイ・ロデレールの最大の特長は、家族経営を貫いているところ。モエ・エ・シャンドンやドン・ペリニヨンといった名門ブランドが「LVMH」などの巨大資本傘下になる一方で、ルイ・ロデレールは独立性を保ち、昔ながらのシャンパン造りを貫いてきました。

そんなルイ・ロデレールは19世紀から、貴族や富裕層を顧客として成長を続けてきたのですが、大ヒットしたのは1990年代。アメリカの映画やミュージックビデオに数多く登場、クリスタルが富の象徴の様に扱われたことで高い知名度を獲得。日本でも高級クラブを中心に、クリスタルの栓が抜かれる光景が見られたものでした。

あの失言は、計算づくではなかったのか?

大ヒットしていたルイ・ロデレールに、冷水を浴びせるような出来事が起こったのが2006年。同社の役員が「ラッパーたちに自社の製品が好まれるのはいかがなものか?」と発言、それまでクリスタルなどを大量消費してくれていた彼らから、大いに反感を買ってしまうのです。以降ラッパーたちは、ルイ・ロデレールをMVに用いたり、パーティで楽しむのをやめてしまい、代わりに別の銘柄「アルマン・ド・ブリニャック」を用いるようになってしまいました。

と、ここまでの話だけならば、失言は恐ろしいですね。という結論になりそうなのですが、ことはそう単純ではありません。以下は推測なのですが……2006年の発言が計算づくのことではなかったか?ということ。ラッパーたちによって自社の製品が、単なるトレンドとして消費されるのを避けるために、あえて発言したのではないか?ということです。ルイ・ロデレールは製品を全て、自社所有する畑で採れたブドウを使用しています。つまり生産拡大ができない体制のメーカーなのです。それだけに自社の製品がトレンドになってしまし、品薄になり、本来の顧客へと届かなくなるのを拒んでために、あんな発言をしたのではないか?とも考えられるのです。

まとめ

ルイ・ロデレールが取った行動は、正にターゲティング。波及効果が望める顧客や市場の成長性にはあえて背を向けて、適正な市場規模を保持するという行動でした。自社の製品が一時の流行として、消費されてしまうことを拒み、本来の顧客へと行き渡るようにする。あえて売らないというのも、マーケティングの一つではないでしょうか。

執筆者 gisinosuke

SNS運用代行なら新大陸

関連記事

  1. 改めて、SNS時代におけるGmailの価値を考える
  2. Instagramの新ショッピングフォーマット「Checkout…
  3. ソーシャルメディアに共感を呼ぶストーリーテリングを。活用事例を紹…
  4. 急伸する中国コスメ業界の3大トレンドに注目
  5. ARとVRの導入が企業のビジネスオペレーションをリード
  6. コネクテッドカー所有者、個人データの交換に同意
  7. 差別化が難しい製品のPRは?上質なコンテンツを発信して信頼できる…
  8. ツイートボタンを活用!消費者に製品の推薦をTwitterで促す方…

ピックアップ

老後に2000万円の貯蓄が必要?LINEで受け取れる年金額を試算できるように

老後に2000万円の貯蓄が年金とは別に必要になるというニュースがSNSや世論を騒がせました。ところで…

おすすめの記事

PAGE TOP
結果が出るSNS運用代行