メディア戦略

いかにして「ロレックス」は、現在の地位を獲得したのか?

今や高級時計の代名詞となっている「ロレックス」なのですが、創業は1905年、老舗ぞろいの時計業界においては、それほど歴史が長いブランドではありません。また創業当時、技術的に見るべき点があったか?というと、そうでもないのです。そこで、ロレックスは他のメーカーを買収、防水性を高める仕組み「オイスターケース」という技術を手に入れます。そして、その武器を手に名声を確立していくのです。

メディア戦略で「武器」をアピール

オイスターケースの技術を手に入れたロレックスは、高い防水性を存分にアピール。自社の強みを全面に押し出すマーケティングをおこないます。例えばドーバー海峡を泳いでわたるスイマーや、エベレストの登頂隊に自社製品を提供する。もちろん新聞広告などで、実績をアピールすることは忘れません。これらの積み重ねによりロレックスは、堅牢な実用時計というブランドイメージを確立しました。

しかし実用時計ばかり手がけていては、それほど儲からないもの。しかも本拠地のヨーロッパの高級時計市場は、すでに名門ブランドが席巻していました。そこでロレックスが目をつけたのがアメリカ市場、老舗の広告代理店「ジェイ・ウォルター・トンプソン」と組みロレックス=高級時計のイメージをアピール、高額なモデルを市場に投入していきました。そして様々なキャンペーンをおこなうのですが、中でも有名なのがパンナムと組んだマーケティング。公式時計と名乗ることで、富裕層が多い国際線のユーザーにアピールし、現在のイメージが完成、1950年代のことでした。

ブランド価値を向上させる取り組み

その後のロレックスがとり続けている戦略は、一見すると非常に保守的なものです。新モデルはめったに手がけない、手がけたとしても従来と大差がないものばかり。しかし、この戦略は思わぬ副産物を生みました。変わり映えがしませんから昔のモデルも古臭くは見えませんから、ロレックスは中古市場で値崩れしない。「ロレックスは手放すときも、高い値段が付く」というイメージ作りに成功しました。

また、人気モデルは店頭で見かけることすらないほどの、徹底した生産調整もおこないました。ですから、新品価格も値崩れを起こしませんし「品薄=人気」という図式をユーザーに刷り込むことにも成功しました。その一方でロレックスは、テニスやヨット競技の大会、F1、ル・マンといったスポーツイベントをスポンサード。ブランドイメージの向上にも余念がないのです。

まとめ

以上、ロレックスが名声を確立していった、非常にざっくりとした過程でした。名門でもない、秀でた技術もないロレックスが成功したのは周到なマーケティングがあったから。広告宣伝の上手さがあったからでしょう。また名声が確立してからも、ロレックスのブランドバリューを落とさないために、おこなってきたことの周到なこと。これらはブランディングのお手本と呼んでも過言ではないでしょう。

執筆者 gisinosuke

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